放射線治療

放射線治療とは

放射線治療は手術、薬物療法と並ぶがん治療の3本柱のひとつで、全身ほとんどの部位にある多くの種類のがんが治療の対象です。早期がんであれば放射線治療単独での根治も可能です。また治すことを目的とした治療(根治治療)から、症状を和らげるための治療(緩和治療)まで幅広い役割を担うことができる治療です。

通常の外部放射線治療の場合、治療時に麻酔は必要なく放射線照射中の痛みもありません。このように体への負担が少ないので、ご高齢の方や合併症があって手術が受けられない方でも治療ができます。また放射線治療ではがんを治すだけでなく、正常な臓器の形や機能を残すことができるという大きな特徴があります。放射線治療の治療法や特徴は、日本放射線腫瘍学会のホームページでも紹介しておりますのでどうぞご覧下さい。

日本放射線腫瘍学会のホームページ

放射線治療科では、高精度放射線治療と呼ばれる強度変調放射線治療(IMRT)、定位放射線治療(SRS/SRT)、画像誘導放射線治療(IGRT)や、体の内部から放射線を照射する小線源治療・内用療法を活用し、再発がん・再照射も含め、すべてのがんを対象として、他病院からのご紹介も積極的に受け入れております。

またがん医療に関連する各科と密に連携して、それぞれの患者さんに最適な治療方法を検討する会議(キャンサーボード)や附属病院キャンサーセンターでも重要な役割を担っています。このように放射線治療を基盤とし、病院全体のがん医療向上に努めています。

画像:放射線治療
画像:放射線治療
画像:放射線治療

診療実績

おもな治療部位(2018年)
全治療人数 1023人
乳がん 197人
前立腺がん 133人
頭頸部がん 114人
肺がん 101人
うち強度変調放射線治療(IMRT) 222人

外来診察日程

事前予約が必要です。セカンドオピニオン外来も積極的にお受けしております。

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スタッフ

まず放射線治療医(放射線腫瘍医)が、個々の患者さんに最適な照射の方法と投与量を決定いたします。放射線腫瘍医は高度の教育を受けた医療チームを率いています。放射線治療のチームには以下のスタッフが含まれます。

放射線治療看護師 看護、および治療と副作用への対処のお手伝いをいたします。
医学物理士 放射線腫瘍医と協力して放射線治療計画を行います。また、放射線治療における品質管理と安全管理全般を担当しています。
診療放射線技師 専用の医療機械を操作し、毎日の治療を行います。
医療クラーク/受付 毎日の治療を快適に受けていただくためのお手伝いをします。
画像:スタッフ
画像:スタッフ
画像:スタッフ

医師
画像:准教授 診療科長 附属病院がんセンター副センター長

准教授 診療科長
附属病院がんセンター副センター長

中村 聡明 なかむら さとあき

日本医学放射線学会 放射線治療専門医・研修指導者
日本がん治療認定医機構 認定医・指導責任者

おもな編著・著書(共著)

膵癌診療ガイドライン(2019、金原出版)
消化器難治癌シリーズ:膵癌(2019、日本消化器病学会)
やさしくわかる放射線治療学(2018、学研メディカル秀潤社)
がん・放射線療法(2017、学研メディカル秀潤社)
がん放射線療法UPDATE(2017、医歯薬出版株式会社)
放射線治療学(2017、南山堂)
頭頸部癌学(2017、日本臨牀社)

病院助教

加藤 貴

かとう たかし

日本医学放射線学会
放射線治療専門医

大学院生

吉田 麻美

よしだ あさみ

日本医学放射線学会
放射線科専門医

大学院生

由井 緑

ゆい みどり

医学物理士

病院助教

武川 英樹

たけがわ ひでき

医学物理士認定機構 医学物理士
治療専門医学物理士

病院助教

姉帯 優介

あねたい ゆうすけ

医学物理士認定機構 医学物理士

病院助教

小池 優平

こいけ ゆうへい

医学物理士認定機構 医学物理士

代表的な放射線治療

強度変調放射線治療(IMRT)

IMRTは専門のコンピュータを用いることにより、「強度変調」の名の通り放射線を当てる位置と強さを変えることでがんの形にあわせる照射方法です。
例えば前立腺癌では前立腺のすぐ後ろに直腸があり、放射線が直腸に多量にあたると出血するため、直腸を避けて照射する必要があります。このような場合、従来の方法では一定方向から均一の放射線が照射されるため、直腸にも放射線が当たってしまい、がんへの十分な照射が困難でした。IMRTでは照射出口に並ぶ鉛のスリットをコンピュータ制御で動かすことで、直腸にできるだけ当たらないように放射線の照射範囲を調節。さらに立体的に様々な方向から照射することにより線量に強弱ができ、直腸には極力放射線を当てずにがん細胞だけに十分な放射線を当てることや、手術では治療が困難な部分への照射が可能になりました。がん細胞周囲の正常組織への照射を減らし、放射線をがんに集中することで、副作用を増加させることなく、手術と同等の治療成績を上げることが可能になりました。

前立腺がんのIMRTは従来の8週間(37-39回)で行う治療と、4週間(20回)で行う治療が選択可能です。

附属病院では前立腺がんだけでなく頭頸部がん、脳腫瘍、婦人科がん、膵がんなど全身のがんに応用しています。

画像:強度変調放射線治療(IMRT)
画像:従来の放射線治療
画像:IMRT治療
画像:従来の放射線治療
画像:IMRT治療