法医学☆国試問題解説
国試の
要 点
医師法
関 係
死 亡
診断書
死産証書
児童虐待
死体検案
死体現象
脳 死
臓器移植
外 傷
急 死
中 毒
薬物依存
医の倫理
血液型
<外傷・ショック・窒息・内因性急死>
H30(112)-A-5 Mallory-Weiss症候群について正しいのはどれか。
a 自然治癒する。
b 裂創は横走する。
c 病変は壁全層に及ぶ。
d 胃大彎側に好発する。
e 十二指腸にも病変が存在する。
H30(112)-A-20 22歳の男性。炎天下での道路工事の作業中に頭痛と悪心が出現し、会社の車で来院した。建設作業員。17歳時に自然気胸のため入院している。家族歴に特記すべきことはない。意識レベルはJCSⅠ-1。身長 172 cm、体重 57 kg。体温 38.9℃。脈拍 124/分、整。血圧 96/48 mmHg。呼吸数 12/分。発汗なし。体幹部から末梢にかけて熱感を認める。瞳孔径は両側 4 mmで対光反射は正常である。臥位で頸静脈の虚脱を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。下肢に浮腫を認めない。輸液を受け、症状は軽快した。
同じ勤務に復帰する上で適切な指導はどれか。
a 塩分の摂取を控える。
b 短時間の作業から開始する。
c 冷房の効いた屋内で過ごすことは避ける。
d 通気性を抑えた作業服の着用を推奨する。
e 水分は少ない回数で一度に大量に摂取する。
H30(112)-B-8 急性呼吸窮迫症候群〈ARDS〉の病態について正しいのはどれか。
a 肺死腔減少
b 肺内シャント減少
c 肺血管透過性亢進
d 肺サーファクタント増加
e 肺コンプライアンス増加
H30(112)-B-12 大動脈解離による腰背部痛の特徴はどれか。
a 突然の発症
b 数日間の高熱の先行
c 前屈での痛みの軽減
d 圧迫による痛みの軽減
e 呼吸による痛みの強さの変動
H30(112)-C-17 ショックをきたす病態で早期から中心静脈圧が上昇するのはどれか。2つ選べ。
a 敗血症
b 緊張性気胸
c 異所性妊娠破裂
d 心タンポナーデ
e アナフィラキシー
H30(112)-C-48 65歳の男性。スクーターで走行中に対向車と正面衝突して受傷したため救急車で搬入された。腹部から腰部の痛みを訴えている。意識はほぼ清明。体温 35.8 ℃。心拍数 140/分、整。血圧 80/50 mmHg。呼吸数 24/分。SpO
2
100 % (リザーバー付マスク 10 L/分酸素投与下)。頸静脈の怒張を認めない。迅速簡易超音波検査〈FAST〉で異常所見を認めなかった。
ショックの原因として最も考えられるのはどれか。
a 大量血胸
b 緊張性気胸
c 心タンポナーデ
d 大量腹腔内出血
e 大量後腹膜出血
H30(112)-C-61 臨床経過と検査所見から肺結核と診断した。保健所に肺結核の届出を行う際に、届出が必要な診断後の期間はどれか。
a 直ちに
b 7日以内
c 14日以内
d 21日以内
e 28日以内
H29(111)-D-16 嘔吐の後に急に発症するのはどれか。2つ選べ。
a 食道アカラシア
b 特発性食道破裂
c Bochdalek孔ヘルニア
d 機能性ディスペプシア
e Mallory-Weiss 症候群
H29−D-47 36 歳の男性。意識障害のため救急車で搬入された。夏季に作業のため穀物貯蔵タンク内に入ったところ、間もなく意識を消失して倒れた。作業前に普段と変わったところはなく、所持品に不審なものもなかった。救急隊接触時、全身にチアノーゼを認め、SpO
2
88 % であった。来院時の意識レベルはJCSⅢ-300。体温37.2 ℃。心拍数108/分、整。血圧132/90 mmHg。呼吸数16/分。SpO
2
100 % (リザーバー付マスク10 L/分酸素投与下)。心音と呼吸音とに異常を認めない。皮膚は湿潤しており、血管拡張は認めない。血液所見:赤血球530万、Hb 16.0 g/dL、白血球6,000。血液生化学所見:総蛋白6.8 g/dL、AST 30 U/L、ALT 32 U/L、CK 22U/L (基準30〜140)、尿素窒素16 mg/dL、クレアチニン1.1 mg/dL、Na 142mEq/L、K 3.8 mEq/L、Cl 102 mEq/L。心電図と胸部エックス線写真とに異常を認めない。
最も考えられる病態はどれか。
a 一酸化炭素中毒
b 酸素欠乏症
c シアン化水素中毒
d 熱中症
e 硫化水素中毒
H29(111)-H-15 絞扼性イレウスの原因となりうるのはどれか。
a 急性膵炎
b 急性虫垂炎
c 潰瘍性大腸炎
d 鼠径ヘルニア
e 下腸間膜動脈血栓症
H28(110)-D-33 救急隊から患者受入要請があった。傷病者は30歳の男性。マンホールに入って作業を開始し、数分してから意識を失って倒れた。同僚が命綱を引っ張って救助したが意識はない。救急隊の接触時、意識レベルはJCS Ⅲ - 300 。体温 36.0 ℃。脈拍 80/分、整。血圧 120/80 mmHg。呼吸数 8/分。SpO
2
100 %(リザーバー付マスク 10L/分 酸素投与下)。けいれんや不随意運動はないという。作業現場は乾燥しており着衣に液体や固体による汚染はない。倒れた原因を現場で調査中である。
患者の病院到着時にまず行うべきなのはどれか。
a 原因が判明するまで患者を救急車内で待機させる。
b シャワーで全身を洗って除染する。
c 酸素を止め動脈血ガス分析を行う。
d 頭部CTを行う。
e 気道確保を行う。
H28(110)-G-57 25歳の男性。バイクを運転中に自動車と接触して転倒し、後続の自動車にひかれ救急車で搬入された。来院時、脈拍 120/分、整。血圧 110/80 mmHg。呼吸数 32/分。SpO2 89 %(リザーバー付マスク 10L/分 酸素投与下)。胸郭は奇異性運動を起こし努力呼吸である。胸部エックス線写真で右肋骨の多発骨折と肺挫傷とを認めるが、血胸や気胸はみられなかった。
直ちに行うべきなのはどれか。
a 胸腔穿刺
b 抗菌薬投与
c 挿管陽圧換気
d バストバンド固定
e 副腎皮質ステロイド全身投与
H27(109)-B-19 自律神経障害による突然死に最も注意すべきなのはどれか。
a 多系統萎縮症
b 多発性硬化症
c 周期性四肢麻痺
d Alzheimer型認知症
e 筋萎縮性側索硬化症
H27(109)-B-38 閉塞性ショックをきたすのはどれか。3つ選べ。
a 肺塞栓症
b 消化管出血
c 緊張性気胸
d 心タンポナーデ
e アナフィラキシー
H27(109)-C-7 全身の浮腫を最もきたしにくいのはどれか。
a 肝硬変
b 心不全
c 深部静脈血栓症
d 蛋白漏出性胃腸症
e ネフローゼ症候群
H27(109)-C-10 ショックを呈した際に初期から徐脈となるのはどれか。
a 熱 傷
b 敗血症
c 頸髄損傷
d 消化管出血
e 緊張性気胸
H27(109)-E-12 呼吸運動に最も関与するのはどれか。
a 横隔膜
b 広背筋
c 前鋸筋
d 肋間筋
e 胸鎖乳突筋
H27(109)-I-10 Stanford B型急性大動脈解離の合併症として可能性が最も低いのはどれか。
a 血 胸
b 腎不全
c 下肢虚血
d 腸管壊死
e 急性心筋梗塞
CT写真の模写
H27(109)-I-24 頭部外傷患者の受傷後4時間の頭部単純CTを右図に示す。出血源として最も考えられるのはどれか。
a 架橋静脈
b 後大脳動脈
c 中大脳動脈
d 中硬膜動脈
e 上矢状静脈洞
H27(109)-I-33 播種性血管内凝固〈DIC〉でみられるのはどれか。2つ選べ。
a PT 延長
b APTT 延長
c 血小板増加
d 赤血球増加
e 白血球減少
H26(108)-A-10 大量被ばく後の放射線障害で、最も遅く発現するのはどれか。
a 紅 斑
b 白内障
c 消化管出血
d 白血球減少
e 生殖機能障害
H26(108)-A-12 Stanford A型急性大動脈解離が原因とならないのはどれか。
a 脳梗塞
b 緊張性気胸
c 急性冠症候群
d 心タンポナーデ
e 大動脈弁閉鎖不全
H26(108)-A-21 21歳の男性。手指の震えを主訴に来院した。週に 3日午前中、派遣先の大型塗料店で在庫管理の仕事をしている。 4日前、離島でダイビングをしている時、水深 21 mまで潜ってから浮上する途中に、潜水の履歴から浮上の必要性や手順を計算するダイビングコンピュータから浮上を停止するよう指示を受けた。その際、一旦浮上を停止した後インストラクターの指示に従い浮上した。 2日前もダイビングをした後、夕方ジェット旅客機に搭乗し帰宅した。帰路、天候が悪く機体の揺れのため席から離れることができなかった。就寝時、右中指の近位指節間関節が少し痛いのに気付いた。昨日も指先の感覚に違和感を覚えた。本日、字を書く時に指先が震えるため受診した。
最も考えられるのはどれか。
a 減圧症
b 動揺病
c 頸肩腕障害
d 有機溶剤中毒
e VDT 作業による障害
H26(108)-A-33 62歳の女性。交通事故で頭部を強く打って搬入された。搬入後、頭痛を訴え嘔吐を繰り返しているうちに意識レベルが低下し、JCSⅢ-100となった。右瞳孔が散大し、対光反射が消失している。心拍数 62/分、整。血圧 180/90 mmHg。呼吸数 24/分。SpO
2
99% (マスク 6 l/分 酸素投与下)。
診断のためにまず行うべきなのはどれか。
a 頭部CT
b 脳波検査
c 腰椎穿刺
d 脳血管造影
e 脳血流SPECT
H26(108)-B-56~58 60歳の男性。オートバイで転倒したため搬入された。
現病歴:2時間前、オートバイで走行中に転倒し大腿部を挟まれた。
既往歴:特記すべきことはない。
現症:意識レベルはJCSⅠ- 3 。身長 160 cm、体重 60 kg。体温 35.5℃。脈拍 120/分、整。血圧 80/50 mmHg。呼吸数 24/分。SpO
2
98%(リザーバー付マスク 10 l/分 酸素投与下)。表情は苦悶様で左大腿部の痛みを訴えている。顔面は蒼白で、皮膚は冷たく湿潤している。心音と呼吸音とに異常を認めない。左大腿部に挫滅創と活動性外出血とを認め、骨が露出している。濃い尿を少量認める。
検査所見:尿所見:比重 1.030、蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球 250万、Hb 7.0 g/dl、Ht 21 %、白血球 13,000 (桿状核好中球 6%、分葉核好中球 70%、単球 4%、リンパ球 20%)、血小板 4.5万、PT 20秒 (基準10~14)、APTT 50秒(基準対照 32.2)。血液生化学所見:総蛋白 5.0 g/dl、アルブミン 3.0 g/dl、尿素窒素 20 mg/dl、クレアチニン 0.9 mg/dl、血糖 120 mg/dl、Na 145 mEq/l、K 5.0 mEq/l、Cl 109 mEq/l。下肢エックス線写真で左大腿骨骨折と左脛骨骨折とを認める。胸部エックス線写真と全身CT で下肢を除いて異常を認めない。
左大腿骨開放骨折に対し、赤血球濃厚液、新鮮凍結血漿および濃厚血小板を準備し、止血、デブリドマン及び骨整復固定術が予定された。急速輸液を行った。
H26(108)-B-58 術後2日目、呼吸困難を訴えた。意識レベルはJCSⅡ-10。体温 38.0℃。脈拍 120/分、整。血圧 120/80 mmHg。呼吸数 30/分。SpO
2
85% (room air)。眼瞼結膜と体幹皮膚に点状出血を認める。両側の胸部でcoarse cracklesとwheezesとを聴取する。心エコー検査で壁運動異常はなく、下大静脈の拡張もない。胸部エックス線写真 (吹雪様の陰影) を別に示す。
病態として考えられるのはどれか。
a 気 胸
b 心不全
c 気管支喘息
d 脂肪塞栓症
e 肺血栓塞栓症
H26(108)-C-11 糖尿病との関連が少ない疾患はどれか。
a 膵 癌
b 脳梗塞
c 慢性腎不全
d くも膜下出血
e 閉塞性動脈硬化症
H26(108)-C-28~29 73 歳の男性。意識障害のため搬入された。
現病歴:今朝起きてこないので、妻が様子を見に行ったところ反応がなかったため救急車を要請した。昨晩までは特に普段と変わらなかったという。
既往歴:20年来の糖尿病と高血圧症でスルホニル尿素薬とアンジオテンシン変換酵素〈ACE〉阻害薬を服用中。
生活歴:71歳の妻と 2人暮らし。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
家族歴:父親が脳梗塞。
現症:呼びかけに反応なく、痛み刺激に対して開眼や払いのけるような動作はなく、わずかに顔をしかめる。身長 165 cm、体重 62 kg。体温 37.0℃。心拍数 98/分、整。血圧 102/70 mmHg。呼吸数 20/分。SpO
2
100% (マスク 3 l/分 酸素投与下)。瞳孔径は両側 3 mmで対光反射は正常である。
H26(108)-C-29 まず行うべき検査として適切なのはどれか。
a 血糖測定
b 頭部MRI
c 12誘導心電図
d 尿ケトン体測定
e 動脈血ガス分析
H26(108)-D-4 肺高血圧を伴わないのはどれか。
a 強皮症
b 肺血栓塞栓症
c 僧帽弁狭窄症
d 急性心筋梗塞
e 心タンポナーデ
H26(108)-E-60~62 19歳の男性。交通外傷のため搬入された。
現病歴:河川沿いの堤防道路でオートバイを運転中に対向車と接触し転倒、崖下に転落した。
既往歴 : 特記すべきことはない。
現症:意識はほぼ清明だが会話は困難。脈拍 124/分。血圧 92/70 mmHg。呼吸数 28/分。SpO
2
100% (リザーバー付マスク 10 l/分 酸素投与下)。顔面に挫創があり、口腔から出血と凝血塊の喀出を認める。胸部は右前胸部に圧痛があり、右呼吸音が減弱している。右下肢は外旋位で、右下腿の変形と開放創を認める。腹部超音波検査で腹腔内に液体貯留を認める。マスクによる酸素投与を継続している。
H26(108)-E-60 次に行うべき処置はどれか。
a 気管挿管
b 口腔内の吸引
c 緊急気管切開
d 輪状甲状靱帯穿刺
e 経鼻エアウェイ挿入
H26(108)-E-61 治療方針の決定のため、初療室で行う単純エックス線撮影で最も優先順位が高い部位はどれか。
a 頭 部
b 顔 面
c 頸 椎
d 胸 部
e 右下肢
H26(108)-E-63~65 34歳の男性。熱傷のため搬入された。
現病歴:自宅で就寝中に火災が発生して熱傷を負い、救急車で搬送された。
現症:熱傷深度と熱傷範囲を表した図 (体幹前面と右上肢がIII度、体幹背面がII度、左上肢がI度) を別に示す。
H26(108)-E-63 9の法則で評価したこの患者のBurn Index はどれか。
a 54
b 45
c 36
d 27
e 18
H26(108)-G-34 ショックを呈する病態で早期から中心静脈圧が上昇するのはどれか。2つ選べ。
a 敗血症
b 緊張性気胸
c 食道静脈瘤破裂
d 心タンポナーデ
e アナフィラキシー
H26(108)-G-42 乗用車とトラックとが衝突し 5人が受傷した。搬送にはドクターヘリ 1機、救急車 1台、警察車両 1台しか使えず、それぞれ現場で待機している。近くの救急医療機関は陸路で 40分の距離にある。
ドクターヘリで搬送すべき患者はどれか。
a 10歳の男児。前額部から出血があり大声で泣いている。
b 20歳の女性。骨盤骨折がありショック状態で顔面蒼白である。
c 30歳の男性。開放創はなく泥酔状態で暴れ抑え切れない。
d 40歳の女性。右大腿骨骨折で痛がり手術が必要である。
e 50歳の男性。頸部轢断で頭部が体幹から分離している。
H26(108)-G-64~66 65歳の男性。頭部挫創を主訴に来院した。
現病歴 : 飲酒後、家の階段の下で倒れているところを帰宅した家族に発見された。頭部に挫創を認めたため家族に付き添われて受診した。
既往歴:心房細動のためワルファリン内服中。
生活歴:定年退職後無職。
家族歴:特記すべきことはない。
現 症:アルコール臭があるが意識は清明。ただし、本人は受傷時のことは覚えていない。脈拍 80/分、不整。血圧 150/90 mmHg。呼吸数 24/分。頭頂部やや後方に 3 cm の挫創があり出血を認めた。身体の他の部位に創傷は認められなかった。
検査所見:頭部CT では頭蓋骨骨折は認められず、後頭蓋窩にごくわずかな硬膜下血腫が認められた
H26(108)-G-64 この患者における頭蓋内病変の重症化を予測する上で、最も注意すべきなのはどれか。
a 健 忘
b 飲 酒
c 年 齢
d 創傷部位
e ワルファリン内服
H26(108)-G-65 挫創からの出血に対する止血や縫合に難渋していたところ、患者が突然嘔吐した。その後、呼びかけにも痛み刺激にも反応しなくなった。急いで再度頭部CT を撮影しようとCT室に搬送し、撮影台に移乗し頭部を固定したところ呼吸が止まった。頸動脈は触知できた。
急変後、2回目のCTの撮影に行く前にすべきであった処置はどれか。2つ選べ。
a 吐物を吸引する。
b 大量輸液を行う。
c 制吐薬を投与する。
d 経口気管挿管を行う。
e リザーバー付マスクで酸素を投与する。
H26(108)-H-16 うっ血性心不全について正しいのはどれか。
a 浮腫は顔面に著明である。
b 呼吸困難は仰臥位で軽減する。
c 肺水腫は左心不全の所見である。
d 肺動脈楔入圧の上昇は右心不全の所見である。
e 左室駆出率が正常の場合はうっ血性心不全を否定できる。
H26(108)-H-24 32歳の男性。建築現場で作業中に約 10 m転落し、搬入された。来院時、ネックカラーを装着されバックボード上に全脊椎固定されており、意識レベルはJCSⅠ- 3で右殿部の痛みがあるという。身長 178 cm、体重 70 kg。体温 36.4℃。脈拍 112/分、整。血圧 90/50 mmHg。呼吸数 24/分。SpO
2
100% (リザーバー付マスク 10 l/分 酸素投与下)。気道は開通しており呼吸困難はない。皮膚は蒼白で冷汗を伴い、橈骨動脈の拍動は弱い。明らかな外出血はなく、右下肢は変形は明らかでないが左と比較すると短縮がある。顔面、頸部および胸部に異常を認めない。超音波検査で心囊、両側の胸腔および腹腔に液体貯留を認めない。胸部エックス線写真に異常を認めない。
次に行うべき単純エックス線撮影の部位はどれか。
a 頭 部
b 頸 椎
c 腹 部
d 骨 盤
e 右足趾
H26(108)-H-26 75歳の男性。転びやすいことを主訴に来院した。4日前から少しずつ歩行が不安定となり転倒しそうになることが多くなった。家族は 1週前から受け答えもつじつまが合わないと言う。1か月前、歩行中に転倒して右側頭部を打ち、裂創を生じたため他院で縫合処置を受けた。
最も考えられるのはどれか。
a 脳挫傷
b 脳梗塞
c 急性硬膜外血腫
d 慢性硬膜下血腫
e びまん性軸索損傷
H25(107)-A-4 急性肺血栓塞栓症のリスクファクターでないのはどれか。
a るいそう
b 長期臥床
c 悪性腫瘍
d プロテインC欠乏症
e 中心静脈カテーテル留置
H25(107)-A-12 頭部単純CT5枚がある (1: 右側頭部に白色の三日月形の陰影、2: 右大脳半球の前2/3が暗灰色に変色、3: 右側頭部に灰色の三日月形の陰影、4: 右側頭部に白色の凸レンズ形の陰影、5: 右前頭葉内部に不定形の白色の陰影)。2か月前に頭部打撲の既往があり、歩きにくさを訴える高齢者の頭部単純CTとして考えられるのはどれか。
a 1
b 2
c 3
d 4
e 5
H25(107)-G-58 21歳の男性。プールサイドで転倒して右の側頭部を強く打ち、創部から少量の出血がみられるため来院した。意識は清明で神経学的異常はみられなかった。右の側頭部に頭皮挫創があり創処置を行った。頭部エックス線写真で側頭部の骨折線、頭部単純CTで右側頭部に凸レンズ形の白色陰影が認められた。創傷部から少量の出血があり、再度創傷処置を行っていたところ、意識レベルが急速にJCSIII-100に低下し、左上下肢麻痺、左瞳孔の散大および対光反射の消失がみられた。
まず行うべきなのはどれか。
a 脳波検査
b 腰椎穿刺
c 経過観察
d 頭部単純CTの再検
e 頭部MRIの拡散強調像撮像
H25(107)-I-33 急性呼吸促迫症候群について正しいのはどれか。2つ選べ。
a 肺の線維化をきたさない。
b 両側肺野の浸潤影を伴う。
c 肺血管透過性の低下を特徴とする。
d びまん性肺胞傷害の病理像を呈する。
e 敗血症が原因であれば予後は良好である。
H24(106)-A-11 羊水塞栓症について正しいのはどれか。
a 未破水例に多い。
b 播種性血管内凝固を伴う。
c 母体の予後は良好である。
d 産婦の下腹部は板状硬となる。
e 妊娠高血圧症候群に合併しやすい。
H24(106)-B-32 突然死をきたしやすいのはどれか。
a 三尖弁閉鎖不全症
b 僧帽弁狭窄症
c 僧帽弁閉鎖不全症
d 大動脈弁狭窄症
e 大動脈弁閉鎖不全症
H24(106)-C-7 高齢者の転倒予防対策にならないのはどれか。
a 筋力訓練の実施
b 服薬状況の確認
c 弾性包帯の装着
d 歩行補助具の利用
e 床の段差をなくす改装
H24(106)-C-17 36歳の男性。自宅で誤って熱湯を浴びたため搬入された。意識は清明。身長178 cm、体重82 kg。体温36.8℃。脈拍88/分、整。血圧126/70 mmHg。呼吸数24/分。胸部、腹部および右上肢全体に紅斑とびらんとを認める。
この患者の受傷面積の割合として正しいのはどれか。ただし、「9の法則」で計算するものとする。
a 9%
b 18%
c 27%
d 36%
e 45%
H24(106)-D-36 11歳の男児。呼吸困難のため搬入された。学校給食で食パンとシチューを食べた後、昼休みに校庭でサッカーをしていたときに皮膚瘙痒感と蕁麻疹とが出現した。養護教諭が保健室で休ませて様子をみていたところ、患児が呼吸困難と気分不快とを訴えたため、救急車を要請した。意識は清明。体温 36.8℃。脈拍 92/分、整。血圧 86/48 mmHg。呼吸数 32/分。SpO
2
90% (room air)。ぐったりとしている。顔面と四肢とに膨疹が散在している。胸部で喘鳴を聴取する。1か月前にも同様のエピソードがあったという。
病態として最も考えられるのはどれか。
a 熱中症
b 食中毒
c 気道異物
d コリン性蕁麻疹
e 食物依存性運動誘発アナフィラキシー
H24(106)-G-15 うっ血性心不全で認められる浮腫の特徴はどれか。
a 圧痕を認める。
b 顔面に初発する。
c 体重減少を伴う。
d 左右差を認める。
e 頸静脈の虚脱を伴う。
H24(106)-G-18 テント切痕ヘルニアで最も障害されやすいのはどれか。
a 視神経
b 動眼神経
c 三叉神経
d 外転神経
e 副神経
H24(106)-G-39 25歳の男性。交通事故で頭部を強く打ち、10分間ほど意識がなかった。頭痛が続くため、30分後に友人に伴われて独歩で来院した。意識は清明。数字の順唱は4桁しかできない。頭部CTにて側頭骨に線状骨折を認め、少量の硬膜外血腫を認める。
現時点の対応として適切なのはどれか。
a そのまま帰宅させる。
b 直ちに脳波検査を行う。
c 直ちに脳血管造影を行う。
d 2~4時間後に頭部CTを撮影する。
e 翌日、線状骨折に対して手術を行う。
H24(106)-G-58 16歳の男子。全校集会で長時間立位でいた後、失神して倒れたため母親に伴われて校医を受診した。失神前に悪心と胸痛とを自覚したという。目撃者によると意識は1分以内に回復し、すぐに立ち上がることができた。2年前にもランニング中に失神したことがあった。母方の叔父が突然死しているという。身体診察所見で異常を認めない。校医は専門医療機関に紹介した。
校医が専門医療機関に紹介する根拠となった病歴はどれか。3つ選べ。
a 長時間の立位後の失神
b 失神前の胸痛
c 失神の持続時間
d 運動中の失神
e 突然死の家族歴
H24(106)-G-60 17歳の女子。頭痛を主訴に母親に伴われて来院した。
現病歴:2日前から頭痛と発熱とがみられていた。頭痛は後頸部が突っ張るような感じで、次第に増強してきたという。咽頭痛や咳はない。悪心や腹痛はなく、排尿時痛もない。
既往歴:14歳時に虫垂炎で手術を受けた。薬物アレルギーはない。
家族歴:父親が高血圧症で内服加療中。
現症:意識は清明。身長 161 cm、体重 48 kg。体温 38.0℃。脈拍 76/分、整。血圧 116/70 mmHg。呼吸数 22/分。心音と呼吸音とに異常を認めない。項部硬直とjolt accentuationとを認める。
髄膜炎を疑い、腰椎穿刺 (髄液検査) を予定した。
患者と母親は腰椎穿刺 (髄液検査) に同意し、局所麻酔下での穿刺を希望した。リドカインによる局所麻酔を開始したところ、患者は悪心と呼吸困難とを訴えた。脈拍 124/分、整。血圧 76/48 mmHg。呼吸数 28/分。胸部全体にwheezesを聴取する。心音に異常を認めない。
血圧低下の原因として最も考えられるのはどれか。
a 出血
b 心不全
c 敗血症
d 迷走神経反射
e アナフィラキシー
H24(106)-I-23 急性大動脈解離で認められないのはどれか。
a 対麻痺
b 意識消失
c 尿量減少
d Raynaud現象
e 上肢血圧の左右差
H24(106)-I-28 糖尿病の合併症について正しいのはどれか。2つ選べ。
a 腎症の早期診断に尿中アルブミン測定が有用である。
b 増殖糖尿病網膜症は汎網膜光凝固の適応がある。
c 脳血管障害では症候性脳出血が多い。
d 心臓障害では拡張型心筋症が多い。
e 末梢神経障害はまれである。
H24(106)-I-37 気胸の合併に注意すべきなのはどれか。2つ選べ。
a 肺分画症
b 過敏性肺炎
c Marfan 症候群
d 肺リンパ脈管筋腫症
e アレルギー性肉芽腫性血管炎
H24(106)-I-49 74歳の女性。右変形性股関節症に対する人工股関節置換術後で入院中である。手術後 2週目の歩行訓練中に突然、胸部の不快感を自覚した。意識レベルはJCSⅡ- 10。脈拍 120/分、整。血圧 150/80mmHg。呼吸数 24/分。SpO
2
89% (room air)。呼吸音に異常を認めない。動脈血ガス分析 (自発呼吸、room air):pH 7.50、PaCO
2
32 Torr、PaO
2
51 Torr、HCO
3
-
24 mEq/l。胸部エックス線写真に異常を認めない。
診断として最も考えられるのはどれか。
a 狭心症
b 院内肺炎
c 急性心筋梗塞
d 肺血栓塞栓症
e 解離性大動脈瘤
H24(106)-I-68 23歳の男性。吐血を主訴に来院した。昨夜、会社の歓迎会で日本酒を5合以上飲んだが、正確な飲酒量は記憶していない。本日、起床直後から胃液を嘔吐し、数回目の嘔吐内容が新鮮血であったため驚いて受診した。身体診察所見に異常を認めない。来院後にも少量の新鮮血を嘔吐したため、緊急上部消化管内視鏡検査を行った。食道の内視鏡写真(下図)を別に示す。
<H24(106)-I-68付図模写>
治療として適切なのはどれか。
a クリッピング
b 硬化療法
c 粘膜切除術
d ステント留置
e Hassab手術
H23(105)-B-14 左心不全でみられる身体所見はどれか。
a 頸静脈怒張
b 呼気性喘鳴
c 下腿浮腫
d 肝腫大
e 腹水
H23(105)-B-25 ショックと原因の組合せで誤っているのはどれか。
a 血管原性ショック……………重症下痢
b 閉塞性ショック………………緊張性気胸
c 心原性ショック………………拡張型心筋症
d 神経原性ショック……………高位脊髄麻酔
e アナフィラキシーショック…薬物アレルギー
H23(105)-C-17 69歳の男性。夕食中に突然、頭痛と気分不良とを訴え、1時間後に家族に伴われて来院した。5年前から降圧薬を服用している。意識はやや混濁しており、頻繁に嘔吐している。四肢に麻痺を認めない。頭部単純CTで後頭葉内に白い大きな陰影を認める。
急速な進行が予想されるのはどれか。
a 意識障害
b 四肢麻痺
c 感覚障害
d 血圧低下
e 体温上昇
H23(105)-C-23 33歳の初産婦。骨盤位のため自宅近くの産科診療所にて妊娠39週で帝王切開を受けた。その後、性器出血が持続したため、術後3時間で搬入された。意識レベルはJSC II -10。マスクで酸素投与 (6 l/分) されている。呼吸数 24/分。臥位で脈拍140/分。血圧 68/38 mmHg。皮膚は蒼白で冷たい。腹部は平坦で、子宮底は臍下 2 cmに硬く触知する。膣鏡診で子宮口からの新たな出血を認めない。
まず行うべき処置はどれか。
a 輸血
b 子宮全摘術
c 子宮動脈塞栓術
d 子宮内容除去術
e 膣内ガーゼ充填
H23(105)-E-44 65歳の男性。1時間前からの胸内苦悶を主訴に来院した。10年前から脂質異常症を指摘され内服治療中である。意識は清明。呼吸数 20/分。脈拍 60/分、整。血圧 108/72 mmHg。12誘導心電図でII、III、
a
V
F
誘導でST上昇を認めた。直ちに緊急冠動脈造影を行ったところ、右冠動脈に99%の狭窄を認めたため、経皮的冠動脈インターベンション〈PCI〉を施行した。再灌流直後に脈拍が 120/分に上昇しショック状態となり、意識レベルが低下した。
この患者に発生した可能性が高いのはどれか。
a 脳梗塞
b 乳頭筋断裂
c 心室中隔穿孔
d 肺血栓塞栓症
e 心タンポナーデ
H23(105)-F-3 乏尿をきたすのはどれか。
a 糖尿病
b SIADH
c 急性腎不全
d 低カリウム血症
e 高カルシウム血症
H23(105)-G-5 心原性ショックの所見として誤っているのはどれか。
a 意識混濁
b 呼吸困難
c 四肢冷感
d 皮膚乾燥
e 乏 尿
H23(105)-G-22 全身の大量放射線被ばくによって、末梢血で最も早く減少するのはどれか。
a 赤血球
b 好中球
c 好酸球
d リンパ球
e 血小板
H23(105)-G-42 41歳の男性。交通事故による右大腿骨閉鎖骨折のため搬入された。意識は清明であるが不安そうな表情である。身長 170 cm、体重 70 kg。呼吸数 24/分。脈拍 116/分、整。血圧 116/92 mmHg。
現時点で推定される出血量はどれか。
a 500 ml以下
b 500~750 ml
c 750~1,500 ml
d 1,500~2,000 ml
e 2,000 ml以上
H23(105)-I-21 肥大型心筋症で誤っているのはどれか。
a β刺激薬が予後を改善する。
b 左室拡張末期圧が上昇する。
c 心電図でT波の陰転化を認める。
d 心筋細胞の錯綜配列が特徴的である。
e サルコメア蛋白の遺伝子異常で発症する。
H23(105)-I-28 アナフィラキシーでショック状態を示唆するのはどれか。
a 嘔 吐
b 喘 鳴
c 鼻 汁
d 頻 脈
e 膨 疹
H23(105)-I-29 腎性急性腎不全の原因となるのはどれか。
a 糖尿病性腎症
b 腎性尿崩症
c 尿管結石症
d 良性腎硬化症
e 横紋筋融解症
H22(104)-A-18 急性呼吸不全の原因とならないのはどれか。
a 敗血症
b 肺挫傷
c 胃液誤嚥
d 過換気症候群
e 肺血栓塞栓症
H22(104)-B-43 20歳の男性。自室で倒れているのを家族に発見され搬入された。前腕の写真 (手首のやや上部に左右に長い台形の皮膚の裂け目。左側の創角が鋭。右側の創角は前腕の端に重なって不明。内部に軟凝血が付着。手首と前腕中程の左側に暗赤色の直線状の短い皮膚の裂け目) を別に示す。
これらの創傷はどれか。
a 刺創
b 切創
c 挫創
d 裂創
e 割創
H22(104)-C-1 我が国の自殺について正しいのはどれか。
a 女性に多い。
b 独居者に多い。
c 手段として縊頸が最も多い。
d 自殺率は九州地方が最も高い。
e 自殺者数は年間5万人を超えている。
H22(104)-E-9 飢餓に伴い血中に増加するのはどれか。
a アルブミン
b インスリン
c グルコース
d ケトン体
e リンパ球数
H22(104)-I-35 肺血栓塞栓症で正しいのはどれか。
a るいそうは危険因子である。
b 下肢深部静脈血栓が原因となる。
c 胸部エックス線写真で肺血管陰影が増強する。
d 急性左心不全をきたす。
e 術直後の発症例では血栓溶解療法を優先させる。
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