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転移性肺腫瘍(Metastatic lung tumor)

3つの要点

■ 転移性肺腫瘍に対する手術の意義には、診断と治療とがあります。
■ 大腸癌では転移性肺腫瘍に対する肺切除術で生存期間の延長が得られる可能性があります。
■ オリゴメタシターシスと呼ばれる概念に相当する場合には、治癒の可能性があります。

診断の概説

・確定診断は病理診断で為されます。手術前に確定診断が付くことは稀です。
・いずれかのがんの既往があり、肺に1個または複数個の肺結節があれば転移性肺腫瘍が疑われ、病理診断や分子生物学的診断のために肺切除の適応となります。
・肺切除が適応にならない場合などではCTガイド下生検が行われます。

治療の概説

・原発巣によっては、転移性肺腫瘍の切除により治療の意義があります。現在までの臨床研究から、大腸癌では治療的意義があるとされていますが、それ以外のがんでは明らかではなく、症例毎に検討されます。
・一部の状態、肺結節の個数が1個または小数個でオリゴメタスターシスと呼ばれる状態と考えられる場合には、治癒を目指せる可能性があります。
・全身治療として抗がん剤治療を行う場合には、原発巣を担当している診療科で行います。

当院呼吸器外科での治療の特徴

■ 比較的小さな転移性肺腫瘍に対して、単孔式胸腔鏡手術を行います。
■ 診断の意義、治癒への期待、患者さんの全身状態を勘案して局所治療を考えます。