肝疾患の治療と肝移植の対象となる疾患

当院では、成人, 小児(18歳以下)ともに、生体肝移植手術を行っています。
生体肝移植については、2004年1月より健康保険の対象となる疾患が大幅に拡大されました。

  1. 先天性胆道閉鎖症
  2. アラジール症候群
  3. バッドキアリー症候群
  4. 先天性代謝性肝疾患(家族性アミロイドポリニューロパチーを含む)
  5. カロリー病
  6. 多発嚢胞肝
  7. 進行性肝内胆汁うっ滞症(原発性胆汁性肝硬変と原発性硬化性胆管炎を含む)
  8. 劇症肝炎:年齢制限が無くなりました。
  9. 肝硬変(非代償期):年齢制限が無くなりました。
  10. 肝硬変合併肝細胞癌:下記の(1)及び(2)の条件に合致する場合に限りますが、過去にこれら肝癌に対して治療を行った場合には保険適応とはなりません。
    (1) 遠隔(脳, 肺, 骨, リンパ節など)転移と血管侵襲(門脈本幹, 左右門脈枝, 右中左肝静脈本幹などへの腫瘍塞栓)がない。
    (2) 肝内に径5cm以下1個, あるいは径3cm以下3個以内が存在する場合。

肝硬変(非代償期):

代償期とは特徴的な自覚症状はとくにありませんが、一般的には全身倦怠感, 易疲労感などの漠然とした症状で始まり、食欲不振, 腹部膨満感, 微熱, 腹痛などを訴えることもあります。このような自覚症状しかでない時期を代償期とよびます。
非代償期では以下に示します症状が出現します。
  1. 黄疸
  2. 門脈圧亢進(食道静脈瘤, 腹壁静脈怒張, 脾機能亢進など)
  3. 浮腫・腹水
  4. 消化管出血
  5. 肝性昏睡
  6. 感染症、播種性血管内凝固症候群、腎不全などの合併症