ドナーの安全性確保

当院では、最大限の注意を払いドナーのリスク軽減に努めています。

ドナーになられた方は肝臓の切除手術を受けます。肝臓の提供手術は、病気に対する手術と本質的に異なるものです。

通常、提供手術は切除の大きさによって5〜8時間を要し、お腹に残る手術跡も決して小さいものではありません。
平均出血量は300〜500mlで、他人からの輸血が必要になることは極めて稀です。

また、肝臓の切除の方法や大きさは、移植を受けられる患者様(レシピエント)の体格に合わせて決めています。
体格の小さな子供の患者さんでは、元の肝臓の大きさの約20%で十分な場合が多いです。体格の大きな大人の患者さんの場合では、移植に用いる肝臓も大きなものが必要となり、ドナーの方には元の肝臓の大きさの約40%〜約60%を提供していただくことになります。

手術後は麻酔から覚めて病室に戻り、数日のうちに歩いたり食事をする練習が始まります。およそ4日〜5日で点滴がとれ、手術後10日間〜3週間で退院することができます。

繰り返しになりますが、生体肝移植術において最も大事なことはドナーの安全確保です。当院では手術を初め、術前術後管理において最大限の注意を払っております。