肝臓外科 of 関西医科大学 外科学講座



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肝臓外科

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 当院では年間約60〜70例の肝臓切除術を行っている。 肝臓病には慢性肝炎や肝硬変を基に発生する原発性肝癌(肝細胞癌)、大腸癌や胃癌などの他の臓器の癌から転移した転移性肝癌、胆道(胆汁の流れる道)の悪性の病気である胆管癌・胆嚢癌等を対象としている。 2002年よりは末期状態の肝臓病に対する治療としての肝臓移植もスタートし現在までで16例を施行した。
 手術前にはそれぞれの症例ごとに消化器外科だけではなく肝臓内科・放射線科の医師達のチームでカンファレンスを行い、疾患の評価・画像診断・肝機能の評価・治療法の検討を行っている。治療についてはカンファレンスでの結果をもとに肝臓切除、血管造影下肝動脈塞栓療法(細いカテーテルを太股の動脈より肝臓の動脈にすすめ薬剤を注入する方法)、経皮的ラジオ波・マイクロ波凝固療法(皮膚より局所麻酔下で針を使い腫瘍を焼く方法)、経皮的エタノール注入療法などを組み合わせ集学的治療を行っている。
 また肝臓切除に関しては術前に超音波検査・CT・MRI・RI等をおこない術前肝予備能の評価、3D画像による術前シミュレーション(腫瘍と重要血管の位置関係の把握等)を行い手術方法の検討に十分時間をかけている。手術ではできる限り出血量抑え、自己血(手術前に外来で採らせて頂くご自身の血液)以外の輸血は可能な限りしない方針をとっている。
 原発性肝癌(肝細胞癌)の5年生存率は58%(stage I: 72%, stage II: 64%, stage III: 44%, stage IV: 35%)である。 転移性肝癌に対しても積極的に肝切除を行うとともに、下部消化器外科グループと協力し術前術後の化学療法を施行している。