胆膵外科 of 関西医科大学 外科学講座



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胆膵外科

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特色

 当院消化器内科や近隣の病院と密接に連携し、胆膵悪性腫瘍手術を中心に化学・放射線療法を取り入れています。手術可能な患者さんには安全で根治性の高い手術を行い、手術治療の不適な患者さんには外来化学療法センターを中心に、化学療法、放射線療法などを組み合わせて胆膵癌患者さんをトータルにサポートしています。
 私たちの扱う病気は、主に難治性の悪性腫瘍であるため、治療の前に十分な説明(病気の範囲、治療内容、治療によって得られる効果、治療に伴う合併症や有害事象など)をさせていただき、ひとりひとりの患者さんに最適な治療法を提案し、患者さんやご家族が納得される治療を行うように心がけています。

症例数・治療・成績

膵癌

膵癌は外科切除が唯一の根治可能な治療法ですが、5年生存率は10-20%前後で難治性癌のひとつとされています。この難治癌を制御するためには、術前の正確な診断で切除可能な患者さんを選別すること(患者さんに無益な手術をできるだけ減らすこと)、手術の合併症(特に在院死亡率)を減らすこと、そして術前や術後の補助治療(化学・放射線・免疫療法)を付加した集学的治療を行うことが必要と考えています。
 しかし、膵癌の治療は切除だけではなく病期によっては外科切除の効果がない場合もあり、このような場合では、化学療法単独や化学放射線療法を行っています。
 年間平均約70人の膵癌患者さんの内、約20人の患者さんに外科切除を行っています。2000年から2005年までの最近5年間の外科切除を受けた患者さん(69人)の生存期間中央値は23ヶ月、1/3/5年累積生存率73/30/21%と過去と比較して良好な結果となりました。現在、術後に新しい補助化学療法を付加してさらなる治療成績の改善を期待しています。

胆道癌

 胆道癌の内、肝外胆管(肝門部含む)や十二指腸乳頭部領域に発生する癌の年間切除は約20人で、過去13年間で110人となっています。術後1/3/5年累積生存率は82/55/37%でした。MDCTなどの画像診断による正確な術前進展度診断を行ったうえで、積極的な切除を行い、外来化学療法センターにおいて術後補助化学療法を行っています。

手術成績

 膵頭十二指腸切除術(年間平均約25例)は膵頭部領域の病気に対して行う手術ですが、合併症率が高く、死亡率も無視できない手術です。手術の安全性を向上するために、周術期管理の工夫(安全な膵腸吻合、経腸栄養、ドレーンの早期抜去、自己血輸血の導入など)を行い、膵液漏(27%から9.8%)や合併症発生率(64%から37%)などを低下させることにより、比較的安全な手術になりました(過去5年間の在院死亡率は1%以下)。現在、膵頭十二指腸切除術の70%の患者さんで同種輸血(他人の血液を輸血すること)をしていません。

胆石症

 胆石症は年間約200人以上の患者さんが手術を受け、腹腔鏡下手術を第一選択とし、開腹への移行率は約5%となっています。総胆管結石に対してはほとんどの患者様が、胆石手術の前後で、消化器内科による内視鏡治療で総胆管結石を除去することができ、患者さんの負担を減らしています。

上記内容に関するご相談がある場合、氏名、連絡先を記載の上、下記のe-mail addressにご連絡ください。e-mailで回答可能な内容のみ、対応させていただきます。(内容によっては回答不能な場合がありますのでご了承ください)   里井 壯平satoi@hirakata.kmu.ac.jp