脳血管障害の外科的治療は、脳血管障害が発生する前に発生を予防する予防的外科治療と、発症された場合の急性期外科治療があります。 脳血管障害については、全国的に脳卒中ガイドラインが整備されており、当院でもガイドラインに則った標準的治療を実践しています。当院では脳卒中担当医師が常駐してぉり、救命センターと良好な連携で24時間対応を行っております。
クモ膜下出血は、通常脳動脈瘤が破裂することで、発症する急性期脳血管障害の代表的疾患で、通常は急性期に動脈瘤の再出血予防のための外科的治療が選択されます。再出血予防のための外科的治療としては、開頭手術による動脈瘤頸部クリッピング術と血管内治療による動脈瘤コイル塞栓術がありますが、当院では患者様の状態、動脈瘤の部位、形状に応じてより良いと思われる治療を提案しています。術後は早期リハビリを行いながら、慎重な観察を行い、良好な社会復帰率を誇っています。
脳出血は、脳内に出血が発生し、機能障害が生じる疾患ですが、脳出血についても患者様の状態や発生部位などを勘案して、手術的治療、保存的治療を選択しています。早期リハビリと良好な病診連携システムにより途切れることないリハビリを実践しており、患者様の機能回復に努めています。
脳梗塞は、脳血管が何らかの理由で閉塞することにより脳組織が壊死することで発生する疾患です。当院では脳梗塞は神経内科医師が主に対応しておりますが、脳卒中センターとして常時情報共有しており、必要な場合脳神経外科が診療をお手伝いする場合があります。 脳動静脈奇形やモヤモヤ病などの希少疾患が原因となる脳出血、くも膜下出血についても、治療経験豊富な専門医が診断、治療に当たっております。
脳血管障害に対する予防的外科手術としては、未破裂脳動脈瘤に対する動脈瘤頸部クリッピング術・動脈瘤コイル塞栓術、頸部頸動脈狭窄症に対する頸部血行再建術、慢性脳血流不全に対する頭蓋内血行再建術(バイパス術)などがあります。