講座紹介

 平成19年4月より、関西医科大学薬理学講座主任は稲垣千代子教授(現名誉教授)から中邨智之(なかむら ともゆき)にバトンタッチしました。稲垣教授は自ら発見されたクロライドポンプの解析やアルツハイマー病と細胞内クロライドイオンの関係について多大な業績を残されました。現在の中邨のメインテーマは、細胞外線維である弾性線維の形成機構と弾性線維の再生の研究です。肺気腫や動脈中膜硬化など弾性線維劣化が原因となる老化関連疾患への臨床応用を目指します。
 ドラッグデザインや抗体医薬が発達してきた現在、生体内の標的分子の機能を阻害あるいは促進する手段は増えつつあります。このような時代において医学部の薬理学講座に課せられた最重要課題は、生体において、もしくは疾患において重要な働きをしている標的分子を同定することだと考えています。この目的のためには、分子生物学的手法、細胞生物学的手法、遺伝子改変マウスの作成・解析など幅広い研究技術が必要です。私たちはこれら最新の生命科学技術を駆使して新たな標的分子についてオリジナルな研究を行っています。
 学部教育については、第3学年の薬理学の講義・実習を担当しています。薬理学は基礎医学と臨床医学の橋渡しとなる学問であり、ここで学んだことは臨床の現場でしなければならない判断に直結します。すべての講義でコンパクトにまとめたレジュメプリントを用意し、この広範囲でなおかつ日進月歩の学問を整理して理解できるよう、またモチベーションを維持して自主学習できるよう、手助けしていきます。