心筋シンチグラフィ (心臓RI検査・心筋SPECT)とは--
□放射性同位元素(ラジオアイソトープ:RI)を標識した薬剤(トレーサ)を静脈内投与し、一定時間経過後体内から出るγ線をシンチカメラにてカウントすることにより、心臓へのRIの集積状況を画像化する検査手法です。従来のカウント画像(Planar image)に加え1970年代にはSPECT (Single-photon emission computed tomography)装置が汎用化されたことにより、高い再現性と定量性をもって循環器臨床においては重要・不可欠な検査方法論のひとつとなりました。
 
   
 
□外来においては血流トレーサ(テクネシウム製剤:Tc-99mや塩化タリウム:Tl-201)を用いて運動負荷試験との併用により、虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)のスクリーニング検査として虚血(梗塞)部位や重症度の非侵襲的診断に汎用されるほか、心プール法や初回循環法(ファースト・パス法)により心ポンプ機能をも測定可能で、薬剤の選択や心臓カテーテル検査の適応決定など、重要な過渡手段として日常臨床において貢献しています。さらに、梗塞後心筋においては生存心筋の検出(心筋バイアビリティ評価)や定量化が可能で、冠血行再建術の適応決定や心ポンプ機能回復の予測に威力を発揮します。
□さらに安静時SPECTでは、トレーサを変えることにより心臓病患者の心機能・生命予後に密接に関係することが知られている心臓交感神経機能の画像化(I-123 MIBG SPECT)や、軽微な虚血性心筋障害をも検出し得る心筋脂肪酸代謝異常の視覚的評価(I-123 BMIPP SPECT)など、他にもさまざまな評価が非侵襲的に可能です。
□尚、トレーサからは上述のごとく放射線の一種であるγ線を発するため、本検査により患者さんは胸部レントゲン検査約1回分程度の被爆を受けますが、RIからの放射線は経時的に弱くなる(減衰する)ことに加え、薬剤(トレーサ)自体が数時間後には体外に排泄されるため、検査や薬剤による副作用の心配はありません。1回の撮像時間は約20分程度です。
定量的心拍同期心筋血流SPECT (ECG-gated SPECT)-
 
□血流SPECTを心電図に同期させて心周期(拡張期、収縮期)ごとの心筋血流情報と局所あるいは心臓全体における機能解析とを同時に評価し得る手法で、1990年代後半には従来のSPECTに変わる方法論としてほぼ定着しました。近年米国のGermanoらはこれらを自動定量解析するソフト(定量的心拍同期心筋血流SPECT = Quantitative electrocardiogram-gated SPECT:QGSプログラム)を考案して循環器臨床に導入し、わが国でもNakataらが独自の自動解析ソフト(pFAST)をネット上で無償ダウンロード可能として、全国の臨床家に開放するシステムを確立し、多大な成果を挙げています。
□当施設では1998年にQGSプログラムを導入して以来、一回の撮像のみで血流と局所心機能・心ポンプ機能データの同時収集が可能である本プログラムを駆使し心臓核医学における新しい普遍的方法論の確立を目指して、現在種々の臨床研究を進めております。
 今般本邦において罹患率のさらなる増加が懸念されている急性心筋梗塞症においては、近年梗塞責任冠動脈に対する再灌流治療後の心筋微小循環障害の有無と程度が、治療効果判定はもとより慢性期の心ポンプ機能や生命予後を規定する重要な因子の一つであると考えられるようになりました。心筋微小循環障害の成因としては、再灌流心筋における白血球浸潤や血栓による微小塞栓のほか血管攣縮など種々が挙げられていますが、この心筋微小循環障害の程度、すなわち冠血流予備能は冠血管拡張剤と血流トレーサを用いて非侵襲的に定量評価することが可能です。そこで、再灌流治療後早期の心筋梗塞症においてQGSプログラムが冠血流予備能を定量評価することによって、慢性期の心ポンプ機能をより正確に予測し得るか否かにつき、目下検討を重ねております。本命題が証明されれば、QGSプログラムがより安全かつ正確な予後予測手段として心筋梗塞急性期の治療法選択に寄与し得るものと、期待されます。
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