医師法の内容及び他の法律との識別を問う国試問題>

○医師法:医師の身分と業務を規定。
○医療法:
 病院/診療所(20床以上/未満)の定義・開設・運営、
 国、地方自治体による医療体制の整備等を規定。
○刑法:
 守秘義務違反:診断書の交付義務は医師法の規定だが患者の秘密を漏泄した場合は刑法違反。
 →医師免許が取り消されることもある。

<異状死体>

 定義:外因死、死因不明または死亡時の状況に不審のある死体
 医師法第21条により所轄警察署に24時間以内に届け出なくてはならない。


H20-C-4 異状死と認めた場合、いつまでに所轄警察署に届け出なければならないか。
×a 直ちに
×b 12時間以内
○c 24時間以内(医師法第21条)
×d 1週間以内
×e 翌月の10日まで

H20-E-34 正しいのはどれか。
×a 異状死の届出は死体解剖保存法に基づく。(医師法第21条に基づく)
×b 病理解剖と系統解剖とは行政解剖である。(承諾解剖である。行政解剖は監察医による解剖)
×c 死亡診断書は医師のみが発行できる。(歯科医師も発行できる。医師のみが発行できるのは死体検案書)
○d 司法解剖は刑事訴訟法に基づく。 (刑事訴訟法第129条、168条に基づく)
×e 監察医制度は医師法に基づく。(死体解剖保存法第8条に基づく)

H19-B-11 医師について刑法に規定されているのはどれか。
○a 守秘義務(刑法第134条秘密漏泄罪)
×b 無診察治療の禁止(医師法第20条)
×c 処方せん交付の義務(医師法第22条)
×d 異状死体の届出義務(医師法第21条)
×e 診療録の記載および保存(医師法第24条)

H19-C-3 診療録に関して誤っているのはどれか。
×a 電子媒体による保存が認められている。(電子カルテも普及している)
×b 患者の請求があれば開示してよい。(患者の権利)
○c 保存は医療機関内に限られる。(そういう規程はない)
×d 見読性の確保が必要である。(第三者に判読できるように記載しなければならない)
×e 保存性の確保が必要である。(医師法により5年間の保存義務がある)

H19-C-4 死体検案で正しいのはどれか。
×a 監察医が専任で行う。(医師なら誰でも可能)
△b 異状死体が対象となる。
 (医師法第21条には「検案して異状があると認めたときは…届け出なければならない」とあり、検案することによって異状死体か否かを判断するという表現になっている。この表現に沿って死体検案を死者の診察と解釈すれば、異状死体以外が対象となることもあるので、この選択肢の正否は微妙である)
△c 解剖を行う行為を含む。
 (警察による検視時の死体検案では解剖は含まれない。しかし司法解剖を行う場合、解剖による鑑定と同時に死体検案を行っているとの解釈も成り立つので、この選択肢は○ではないが×と言い切るのは微妙である)
△d 遺族の承諾が必要である。
 (警察による検視に伴う死体検案では遺族の承諾は不要である。しかし医師法第21条の条文が該当する状況では、まだ警察は関与していないので、遺族の承諾なく死体検案(=死者の診察)できるのか疑問である。従ってこの選択肢の正否は微妙である)
×e 検案後は警察への届出義務がある。
 (医師法第21条に基づき異状死体と判断されれば警察への届出義務が発生する。そうでない場合は届出義務はない)
 以上、この設問は「死体検案」の定義が不明確なので答が出せない悪問である。


H18-G-6 正しい組合せはどれか。
×a 守秘義務……………医療法(刑法第134条)
○b 診療録の保存………医師法(医師法第24条)
×c 死亡診断書の交付…死体解剖保存法(医師法施行規則第20条)
×d 療養方法の指導……健康増進法(医師法第23条)
×e 処方せんの交付……薬剤師法(医師法第22条)

H17-B-3 診療記録の開示について正しいのはどれか。
×a 患者の遺族には開示しない。
×b 患者の家族から請求があれば開示する。
×c 患者へ開示する前に第三者に開示する。
○d 患者本人から請求があれば開示する。
 (本人以外への開示は守秘義務に抵触する。本人死亡の場合は遺族の同意、請求で開示する)
×e 患者が加入している生命保険会社から請求があれば開示する。

H17-C-3 28歳の男性。長期海外出張から帰った後、全身倦怠感が出現し、産業医に勧められて来院した。検査を行ったが異常はみられなかったため、心身症と診断された。患者はその後、無断欠勤を続けており、会社から診断書を発行してほしいとの連絡を受けた。
 適切な対応はどれか (H11-D-21と同問題)。
○a 本人の同意を得てほしいと伝える。(作成前に本人の同意を確認することが絶対条件)
×b 家族の同意を得てほしいと伝える。
×c 診断書を作成し本人に郵送する。
×d 診断書を作成し会社に郵送する。
×e 診断書を作成し産業医に郵送する。

H17-D-13 医師法に規定されていないのはどれか。
○a 診療所開設の届出(医療法第8条)
×b 異状死体の届出(医師法第21条)
×c 処方箋の交付(医師法第22条)
×d 診断書の交付(医師法第19条2項)
×e 診療録の記載(医師法第24条)

H17-F-2 30歳の男性。不眠、不安、食欲低下および体重減少を主訴に妻に付き添われて来院した。精神神経科病棟に任意入院となった。身体所見上、前腕に静脈に沿った注射痕を認める。翌朝、他の入院患者に対する被害妄想、幻覚を認めた。患者は「自分は病気ではないので退院する」と希望し、説得に応じようとしない。自傷他害のおそれはない。尿検査の結果、メタンフェタミンが検出された。
 対応として正しいのはどれか。
×a 家族に引きとらせる。
○b 医療保護入院の手続きをとる。
 (自傷他害のおそれはないが、本人の入院の同意が得られず、かつ、本人の判断能力がなく医療及び保護のための入院が必要と診断された場合に、保護者の同意により行われる入院)
×c 保健所に措置入院の申請をする。
 (精神障害のため自傷他害のおそれがある場合の、精神保険指定医2人以上の診断に基づく知事の命令による強制的入院)
×d 個室でベッド上に身体拘束する。
×e 警察に通報する。
 (メタンフェタミン=覚せい剤中毒患者の届出は法律に規定されておらず、守秘義務に抵触する)

H16-E-6 診療録について正しいのはどれか。
×a 医師以外は記載できない。(看護師による看護記録等も記載される)
○b 保存期間は5年である。(医師法第24条)
×c 処方内容は記載内容に含まれない。(診療の一部で不可欠)
×d 訂正する場合修正液を用いて前の記述を抹消する。
 (最初の記載が消える修正は禁忌。改竄と受け取られる。修正は、元の記載が読めるよう、二重線で消して行う)
×e 健康保健法により記載が義務づけられている。(医師法第24条である)

H16-G-68 異状死体の届出が必要ないのはどれか。
×a  生後2か月の乳児が保育所で突然死した。(病死か事故死か事件か不明なので異状死体になる)
×b  医師に処方された抗菌薬を帰宅後服用したらショック死した。
 (処方ミスかアナフィラキシーか病死その他か不明なので異状死体になる。法医解剖すれば医療過誤の疑いを否定できる場合が多い)
×c 来院時心肺停止<CPAOA>の患者が蘇生することなく死亡した。(未診察なので異状死体になる)
×d 精神科に入院中の患者が作業療法中に突然死した。(死因不明なので異状死体になる)
○e 心筋梗塞で緊急搬送された初診患者が1時間後に心筋梗塞で死亡した。
 (診療継続中の疾病による明らかな病死)

H15-G-9 医療法に規定されているのはどれか。
○(1) 病院の開設
○(2) 医療計画の策定
×(3) 診療録の保存(医師法第24条)
×(4) 医療事故の届出(医師法第21条、異状死体の届出)
○(5) 医療法人の認可

H15-G-10 正しいのはどれか。
×a 交通事故による即死者の死亡診断書を交付した。(外因死は死体検案書になる)
×b 遺族の要望により自殺死を病死と書き換えた。
 (言語道断!刑法第159、160条、私文書偽造「虚偽診断書等作成」に相当。3年以下の禁錮または30万円以下の罰金)
×c 犯罪加害者の病状を報道機関に公表した。(刑法第134条、医師の守秘義務違反)
?d 麻薬中毒者を本人に無断で警察に通報した。
 (麻薬中毒者の警察への通報は法令で規定されていない。麻薬及び向精神薬取締法第58条2による規程は知事への届出。
  従来は刑法第134条、医師の守秘義務違反に抵触するおそれがあったが、平成17年7月19日の最高裁判決で「治療や検査中に違法薬物を検出した場合、これを捜査機関に通報するのは正当。守秘義務に違反しない」との初判断が示された)

×e 梅毒感染を同意なしで配偶者に告げた。(刑法第134条、医師の守秘義務違反)

H15-G-11 医師による診療録の記載義務を定めた法律はどれか。
×a 医療法
○b 医師法(第24条)
×c 健康増進法
×d 地域保健法
×e 刑 法

H15-G-12 正しい組合せはどれか。
×a 母子健康手帳の交付−地域保健法(母子保健法)
○b 医薬品の安全性  −薬事法
×c 診療所開設の届出 −医師法(医療法)
×d 医師の守秘義務  −医療法(刑法)
×e 労働者の健康管理 −労働基準法(労働安全衛生法)

H14-E-1 誤ってるのどれか。
×a 日本国憲法には基本的人権が規定されている。
×b 国際連合は世界の人々の人権を擁護している。
×c 医療では患者の自己決定権が認められている。
○d 医師法には患者の人権が規定されている(医師の身分と業務を規定)
×e 医療訴訟では患者の権利が認められてきている。

H14-E-2 医師の対応として正しいのはどれか。
×a 患者の上司の要望で、上司に病状を説明し勤務に差し支えないと伝えた。(刑法第134条、守秘義務違反)
×b 外来患者に診断書の交付を求められたが、忙しいことを理由に断った。
 (医師法第19条2項、診断書等交付義務違反)
×c 研究のために血清を供与を求められ、既に採血してあった患者の血清の一部を提供した。
 (患者本人の同意が必要)
○d 突然、友人から電話で健康診断書の交付を求められ、受診しなければ交付できないと断った。
 (医師法第20条、無診察治療等の禁止)
×e 患者から4年前の診療録の開示を求められ、保存期間を過ぎていることを理由に断った。
 (医師法第24条、診療録の記載・5年間保存義務。また現在の流れとして患者からのカルテ開示の求めは断れない)

H14-E-8 診療録について正しいのはどれか。
×a 患者が死亡した時は破棄できる。(医師法第24条、診療録の記載・5年間保存義務)
×b 主治医だけが理解できる記載でよい。
×c 医師以外は記載できない。(看護師による看護記録なども記載されている)
×d 記載を誤った場合は、修正液で消してもよい。
 (医療事故などの場合、証拠隠滅ととられるおそれがあるので、二重線で消して書き直すなどして最初の記載を残しておいた方がよい)
○e 患者の請求があれば開示してもよい。
 (患者本人だから刑法第134条、守秘義務違反にはならない。また、現在の流れとして患者からのカルテ開示の求めは断れない)

H14-F-1 62歳の男性。健康診断で進行胃癌を指摘された。58歳の妻と32歳の長男、28歳の長女と同居している。長男は自営業、長女は医師である。
 この患者の治療について決定権が優先されるのは誰か。
×a 主治医
○b 患者本人(患者本人に医療の自己決定権がある)
×c 妻
×d 長男
×e 長女

H14-F-27 78歳の男性。上腹部から前胸部に重圧感を訴え、無床診療所を独歩で受診した。同症状は6時間前から出現し、冷汗を伴い、和らぐことなく続いた。聴診ではcoarse crackles(水泡音)を聴取する。心電図では I、aVLおよび V4〜6でSTの上昇を認めたため、直ちに救急処置を行った。
 引き続いて行う対応で緊急度が低いのはどれか。
×a 搬送先の確保
×b 家族への連絡
×c 紹介状の作成
 (転院先の担当医に病状を説明するのに必要。なお、特定機能病院への転院は紹介状がないと受診料が高くなる)
○d 診断書の作成(診断書は患者に渡すものなので、一刻を争うこの状況下では後回し)
×e 救急隊の要請

H14-G-11 医師法で医師の義務として定められているのはどれか。
×a 保険診療の資格取得
×b 卒後臨床研修(義務化は平成16年度から)
×c 専門医の認定取得
×d 患者の秘密守秘(刑法第134条)
○e 診療録の記載(第24条、診療録の記載・5年間保存義務)

H14-G-12 医師として誤っているのどれか。
×a 3類感染症を保健所長を通じて知事に報告した。
 (感染症及び感染症の患者に対する医療に関する法律第12条)
×b 食中毒を保健所長に報告した。(食品衛生法第27条)
×c 死体を検案して異状があったので警察に報告した。(医師法第21条)
○d HIV患者の氏名を保健所長に報告した。
 (4類感染症の患者で後天性免疫不全症候群、梅毒、マラリアなどは7日以内に年齢性別などを保健所長を通じて知事に届け出ないとならないが、氏名は感染拡大防止にどうしても必要な場合を除いて届け出る義務はない)
×e 高血圧で通院中の患者が電話で感冒薬の処方を要求したが断った。(医師法第20条、無診察治療等の禁止)

H14-I-1 17歳の男子。オートバイ走行中に乗用車と接触し、救急車で来院した。右大腿骨の骨折を認めるが、意識は清明。翌日、警察からアルコールと覚せい剤の検査のため、来院当日の患者の血液と尿の提出を求められた。
 最も適切な対応はどれか。
×a 求めに応じて提出する。
△b 患者の承諾を得て提出する。
×c 患者の両親の許可を得て提出する。
×d 病院長の許可を得て提出する。
△e 裁判所に令状を要求する。
 (現状では警察からの求めに対し医師が任意提出することも多いが、患者の同意を得て提出するか、裁判所から交付された押収令状で警察が強制的に押収するかのいずれかが法的にはより正しい。この場合、警察が資料の提供をどうしても必要と考えれば裁判所から令状をとるのが道理。医師側は、令状がなければ拒否することができる。ただしこの選択肢では医師本人が裁判所に要求するように書いてあるが、警察に裁判所交付の令状を要求するのが正しい。dは明らかな間違い)

H13-A 異状死体に該当しないのはどれか。
×a 農薬中毒によると思われる死体(中毒=外因死、事故・事件?)
×b 他傷後の続発症によると思われる死体(原死因が他傷=他殺)
×c 異型輸血によると思われる死体(医療ミス=事故=外因死)
×d 処方された薬の誤嚥によると思われる死体(誤嚥=不慮の窒息=外因死)
○e 肺癌患者の喀血によると思われる死体(原死因=肺癌=病死)

H13-A 診察医に届出の義務がないのはどれか。
×a 麻薬中毒(麻薬及び向精神薬取締法第58条2)
○b シンナー中毒(毒物及び劇物取締法の対象で、規制はあるが届出義務なし)
×c 人工妊娠中絶(母体保護法第27条)
×d 縊首自殺(医師法第21条)
△e 医療事故
 (厚生労働省のリスクマネージメントマニュアル作成指針等により、国立病院で、医師の過失などによる医療過誤で、死亡または傷害が発生したり、その疑いがある場合、警察への届け出を義務づけている。法令ではない。日本法医学会は医療事故またはその疑いで死亡した場合、医師法第21条に則り全て警察に届け出るべきだと主張しているが、外科関連学会は診療の妨げになるというわけの分からない理由で届出をしない方針を表明している)
 届出義務については平成12年度進級試験の解説を参照。


H13-E 判断能力のある患者に医師が行うことで、本人の承諾が必要ないのはどれか。
×a 静脈から採血する。
×b HIV抗体を検査する。
×c 会社の上司からの依頼で診療情報を提供する。(守秘義務違反)
×d 遺伝子解析の検体として利用する。
○e 食中毒の発生について保健所に届け出る。(食品衛生法第27条)
 (検査を含めて診療はすべて患者へのインフォームド・コンセントを行うのが大原則。例外は届出義務等法令で定められているもののみ)

H12-A-30 死体検案について正しいのはどれか。
○(1)医師のみが行うことができる。(死亡診断書作成は医師と歯科医師、死体検案書作成は医師のみ)
○(2)対象は異状死体である。(検視・死体検案の対象は異状死体)
×(3)遺族の承諾が必要である。(刑法第192条、刑事訴訟法第229条に基づき、捜査のため遺族の承諾不要)
×(4)死体を解剖して行う。(死体検案は死体の外表検査のみ)
○(5)死体を裸にして観察する。(全身の外表検査を行う)

H12-D-1 異状死体届出の必要がないのはどれか。
×a 生後5か月の乳児の保育所での突然死(死因不明、状況不審)
×b 高所から墜落した患者のショック死(原死因:墜落=外因死)
×c 救急来院時の病態不明の心肺停止死(死因不明)
×d 交通事故による植物状態に起因する嚥下性肺炎による死亡(原死因:交通事故=外因死)
○e 肝硬変で入院した患者の吐血による窒息死(原死因:肝硬変による食道静脈瘤破裂=病死)

H12-D-12 判断能力がある人について本人の承諾がなくても行ってよいのはどれか。
×a 癌の確定診断のための内視鏡検査(治療、検査等は説明後承諾を得るのが原則)
×b 出血性ショックに対する輸血(エホバの証人など、輸血を拒否する患者もいるので注意)
○c コレラと診断した患者の届出(届出義務あり)
×d 親子鑑定のための採血(本人や親権者の承諾が必須)
×e 生命保険会社への診療情報の提供(刑法、守秘義務違反)

H11-A-2 患者の同意を得ないで行ってよいのはどれか。
×a 患者の略歴調査
○b 結核患者の届出(届出義務あり)
×c HIV抗体の術前検査
×d 治驗薬の使用
×e 患者の上司への病状説明(刑法、守秘義務違反)

H11-A-43 異状死でないのはどれか。
×a オートバイにはねられ、破傷風で死亡した。(原死因は交通事故=外因死)
×b 肺癌で入院中、トイレの中で死亡していた。(状況に不審。肺癌が死因かどうか不明)
×c パラコートを誤飲し、間質性肺炎で死亡した。(中毒死=外因死。パラコートは肺を障害)
○d 救急来院の1時間後に急性心筋梗塞で死亡した。(急性心筋梗塞=病死)
×e 来院時心肺(機能)停止<CPAOA>のまま死亡が確認された。(死因不明)

H11-D-4 診療録について正しいのはどれか。
×a 主治医だけが理解できる記載でよい。
×b 処方内容は記載しなくてよい。(処方も診療の一部)
○c 患者を診察したら記載することが義務付けられている。(医師法)
×d 患者が死亡したら廃棄してよい。(生死にかかわらず5年間保存:医師法)
×e 医師一人の診療所では問題指向型医療記録の意義は乏しい。

H11-D-21 28歳の男性。1か月前から仕事が手につかず、会社の上司から受診を勧められ来院した。診察の結果、1か月程度の休養が必要とみなされ、治療を開始した。数日後、会社から診断書を発行して欲しいという電話連絡を受けた。
   正しい対応はどれか。
○a 本人の同意を得て欲しい旨伝える。(刑法、守秘義務)
×b 家族の同意を得て欲しい旨伝える。(生存している限り本人の同意が必要)
×c 直ちに診断書を作成し本人あてに郵送する。
×d 直ちに診断書を作成し家族あてに郵送する。
×e 直ちに診断書を作成し会社あてに郵送する。

H11-E-1 43歳の男性。AIDSが心配で、妊娠3ヶ月の妻に内緒で来院した。血液検査の結果、HIVに感染していることが判明した。
   適切な対応はどれか。
×(1)患者の兄からの問い合わせに対し検査結果を教えた。(実の兄でも刑法、守秘義務違反)
○(2)妻の検査が必要なことを患者に説明した。(伝染防止に必要な措置を行う)
○(3)胎児感染の可能性のあることを患者に説明した。
×(4)家族と食器を共用しないよう指導した。(食器共用では伝染しない)
×(5)保健所に患者氏名を届け出た。
 (後天性免疫不全症候群の予防に関する法律:年齢、性別、原因、居住地を都道府県知事に報告。多数の者に感染させたおそれがある場合は氏名等も通報)
 なお平成11年4月に感染症予防法(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律:届出義務あり)が施行され、伝染病予防法・性病予防法・後天性免疫不全症候群の予防に関する法律は廃止された。


H10-A-6 医師法に定められているのはどれか
×a 診療科名の広告
○b 処方せんの交付
×c 指定伝染病の届け出
×d 感染性廃棄物の処理
×e 必要病床数の設定

H10-A-11 異状死体届出の必要がないのはどれか。
×a 交通事故による植物状態に起因する嚥下性肺炎での死亡(原死因は交通事故=外因死)
×b 気管支炎治療のため投与した抗生物質によるショック死(医療事故=外因死)
×c 生後5ヶ月の乳児の保育所での突然死(死因不明)
○d 肺癌で入院中の患者の喀血による窒息死(肺癌=病死)
×e 救急来院時の病態不明の心肺停止死(死因不明)

H10-A-12 医師に関して誤っているのはどれか。
×a 医師には国民の健康的な生活を確保する任務がある。
○b 医師国家試験に合格すれば医療行為ができる。 (医籍に登録されてから)
×c 準禁治産者には医師免許は与えられない。
×d 医師免許は取り消されることがある。
×e 診療したときは診療録に記載する義務がある。

H9-A-5 正しいのはどれか (H7-A-3に同問題)。
○(1)診療所は19人以下の患者の収容施設を持つことができる。(20人以上は「病院」)
○(2)療養型病床群は長期療養患者を収容するためのものである。
×(3)臨床研修病院は医師の生涯教育を目的とする。(免許取得後2年以上)
×(4)特定機能病院は特定疾患患者の診療を目的とする。(関西医科大学附属病院も特定機能病院)
○(5)特別養護老人ホームは高齢者のための福祉施設である。

H9-A-9 医療法に規定されているのはどれか。
×a 保健指導(医師法:医師の業務に関する法律)
×b 異状死体の届出(医師法)
○c 診療科名の広告(医療法:病院等の運営に関する法律)
×d 処方せんの交付(医師法)
×e 診療録の記載(医師法)

H8-A-13 診療録について正しいのはどれか。
×(1)取り扱いについては医療法に規定されている。(医師法)
○(2)病院では病院管理者が保存する。
○(3)5年間保存しなければならない。
○(4)記載事項には処方が含まれる。(処方も診療の一部)
×(5)守秘義務については医師法に規定されている。(刑法)

H8-A-15 医師免許のほかに法的資格が必要なのはどれか。
○(1)正常妊娠の人工妊娠中絶(母体保護法、医師会の指定医)
×(2)異状死と思われる死体の検案(死体検案に資格不要)
×(3)新生物の放射線治療
×(4)遺伝子操作治療
○(5)本人が同意しない精神障害者の入院の判定(精神保護法)

H8-A-14 医師の届出義務として正しいのはどれか。
○(1)墜落外傷による死体を検案したときは警察に届け出る。(医師法第21条:24時間以内に所轄警察署へ)
○(2)麻薬中毒者と診断したときは都道府県知事に届け出る。
 (麻薬及び向精神薬取締法第58条の2:すみやかに知事へ)
○(3)淋病と診断したときは都道府県知事に届け出る。
 (性病予防法第6条:1ヵ月以内に保健所長経由で知事へ)
 なお平成11年に感染症予防法(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律:届出義務あり)が施行され、伝染病予防法・性病予防法・後天性免疫不全症候群の予防に関する法律は廃止された。

×(4)覚醒剤を所持している患者を診察したときは警察に届け出る。
 (覚せい剤取締法に規定なし:治療・研究での使用を規定。しかし平成17年7月19日の最高裁判決で「治療や検査中に違法薬物を検出した場合、これを捜査機関に通報するのは正当。守秘義務に違反しない」との初判断が示された)
×(5)不法滞在外国人の患者が入院したときは警察に届け出る。
 (届出義務のない事実の届出は守秘義務違反に抵触?)

食中毒(食品衛生法)、結核(結核予防法)、各種感染症(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)なども届け出る。解剖中に異状を発見したら、24時間以内に解剖した地の警察署長へ届け出る(死体解剖保存法)。

H8-A-16 医師の対応として適切なのはどれか。
×(1)患者の会社の上司から強い要請があったので、本人に断わることなく病状を説明した。
 (刑法・守秘義務違反)
×(2)死亡した患者の家族から強い要請があったので、診療録の記載内容を書き換えた。
 (刑法・虚偽私文書作成:診断書も同様)
×(3)電話で患者の容態を知り得たので、処方せんを交付した。(医師法・無診療治療等の禁止)
○(4)休日に休養していたところ患者が来院したが、休日診療所に行くように直接指示した。
 (休日診療所等があれば医師法に違反しないと厚生省が回答)
○(5)診療中の患者が受診後病状が急変し20時間後に死亡した。家族の要請で死亡診断書を交付した。
 (診療中の病気が死因で、受診後24時間以内なら問題なし)

H7-A-7 医師法で規定されていないのはどれか (H9-A-9と同様)。
×a 2年ごとの医師届出
×b 診療への応招
○c 患者の秘密保持(刑法:守秘義務)
×d 処方箋の交付
×e 5年間の診療録の保存

H7-A-9 医師として業務を行うことができるのはいつか。
×a 医師国家試験に合格したとき(まだ医籍に登録されていない)
×b 医師国家試験合格証書を受領したとき(既に登録済)
×c 医師免許の申請が受理されたとき(まだ登録されていない)
○d 医籍に登録されたとき(医師の資格を得る→業務可)
×e 保健医に登録されたとき(臨床医としては不可欠)

H7-A-8 異状死体として医師が届け出る必要があるのはどれか。
×a 初診患者が救急外来到着後30分で明らかな心筋梗塞で死亡した。(診療開始後で、明らかな病死)
×b 最後の診察から18時間後に癌性腹膜炎で死亡した。(診療継続中の疾病による病死に該当)
○c 脳出血の診断で病理解剖中に頭蓋骨骨折を発見した。
 (解剖中に発見した異状:死体解剖保存法により24時間以内に解剖をした地の警察署長に届け出る義務がある)
×d 高血圧で診療中の患者が入浴中に溺水状態で発見され、脳卒中と診断したが、患者は間もなく死亡した。
 (溺死の原因が明らかな疾病=脳卒中と診断されているため、診療継続中の疾病による病死に該当)
×e 肺結核で入院中の患者が大量喀血し、窒息死亡した。
 (窒息の原因が明らかな疾病=結核と診断されているため、診療継続中の疾病による病死に該当)

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